現状を否定をしない、現状の改革
2019/08/26
現状を変えるためにであっても現状を否定するな、という話。
世の中のありとあらゆる改革は現状否定から入ってしまいがちですが 、そうするとすごくアンハッピ ーになる人もたくさんいると思うんです 。だって現状をつくりあげるために 、たくさんの人が善意と誠実な熱意でやってきたわけでしょう ?不誠実なものについて現状否定をするのはいいと思うんですけど 、誠実にやってきたアウトプットに対して現状否定をすることは 、やってはいけないと思うんです 。
変える根拠づくりのために今の状況をボロクソに言ってしまうことがありますよね。特に途中から入ってきた場合、過去の事情を知らないし、過去の人は居なくなっているしで、容赦がない言葉を投げかけることが多いなと思います。自分を振り返ってもやっちゃっていることがあります、お恥ずかしい。
わたしはいま 、たくさんのことを変えてもいるのですが 、否定したいから変えるのではありません 。 「わたしがもしもむかしの時代にいたら 、いま任天堂がやっているのと同じような方法を取ったと思うよ 。でも 、環境が変わったでしょう ?周囲が変わったでしょう ?ぼくらが変わらなかったらどうなる ?ゆっくり縮小していく道を選ぶ ?それとも 、もっとたくさんの人が 、未来にぼくらのつくったものでよろこんでくれるようになる道を選ぶ ? 」ということなんです 。
現状を肯定しつつも現状を変えることに同意を取るためにはこんな話し方をするんですね。刺激的ではないけれど納得さえ得られれば変えることはできそうです。気が長いように思いますが、岩田さんはそういう人柄の方だったようにお伺いしています。
ちなみにこの本の岩田さんとは、任天堂前社長の故岩田聡氏のことです。若くして病気でお亡くなりになってしまいました・・。任天堂の提供するコンテンツや業績を見て、勝手ながらとても好感を持っていた方です。この度その言葉を集めた書籍が出たとのことで早速購入、ありがたく拝読しております。