どこでも働ける人材を抱える組織は強い
2020/03/23
2019年1月、トヨタの豊田章男氏が新年の年頭挨拶で社員に語ったスピーチが話題になりました。「トヨタの看板がなくても、外で勝負できるプロを目指してください」。トヨタは世界的な大企業なので、今すぐ終身雇用を守れなくなりそうだからという伏線があるわけではないでしょう。この発言の真意は、トヨタにしがみつくことなく、どこに言っても通用する人材がトヨタで働き続けるということが、トヨタをより強くするというメッセージだと筆者は理解しています。
「どこでも働ける」人材が、能動的に所属する組織を選んで働いているという状況は、その組織を強くします。と同時に、その人材は常に「どこでも働き続けられる」だけの努力を怠りません。個人の強さが組織の強さとなります。一方で、組織は強くあり続け、強い個人を惹き付ける努力を怠らないようにしないと、社員は「どこでも働ける」のですぐに流出してしまいます。この個人と会社との良い緊張関係がお互いを強くするのです。
もう転職しない、とか決めている人というのは、どうしたってその所属グループだったり会社だったりの中の価値観で自分を測ろうとするから、いざ外から評価されるとボロボロだったりしますよね。
もし人を雇う際には、とっとと出てけと言い続けたいものです。
そう言いながら社員が出たくないと思えるくらいの会社が作れればなぁ。